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2005.4.15 厚生労働省「医薬品販売制度改正検討部会」における本会の意見陳述について

平成16年12月

厚生労働省は平成16年4月、省内に厚生労働科学審議会・医薬品販売制度改正検討部会(部会長=井村伸正・北里大学名誉教授)を設置し、同年5月より医薬品販売のあり方全般の見直しについて調査・審議してきました。

本日、同部会の第12回会合が開催され、「医薬品販売に従事する者の資質と責務」等が議論されましたが、本会及び全日本薬種商協会、全国配置家庭薬協会より推薦されている委員が、意見陳述を行い、本会からは下記の資料に基づき、医薬品の供給に対する薬剤師の役割や責任について意見を述べました。

本日の検討会に本会から提出した意見要旨及び添付資料一式を掲載いたしますので、ご参考としてください。



医薬品の供給と薬剤師の任務

平成17年4月15日

我が国における薬剤師の任務は、薬剤師法において明確に定められています。すなわち「薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保するものとする。」と規定されております。この法律は、医薬品に対する規制を行うことを通じて国民の保健衛生の向上を図ることを目的とする薬事法と同様に、国民の生存権と国の社会的任務について規定している憲法第25条に基づいているものと理解しています。

従いまして、薬剤師は一般用、医療用を問わず、すべての医薬品の供給を任務としており、供給に伴うすべての責任をその業務を通じて果たさなければなりません。

薬剤師の業務は、医薬品の受け入れから供給に至るまでの医薬品の管理等のみならず、患者や購入者が適正に医薬品を使用することの管理、使用による副作用発生時への対応等も含む幅広いものであります。

薬剤師の資質として求められる医薬品及びそれらに関連する知識や技能は、薬学という大学教育を通じて培われますが、その薬学教育は平成18年度の入学生から6年教育となります。この教育改革は、一般教養の充実、医療薬学の充実、長期実務実習の義務化による消費者、患者等とのコミュニケーション能力の充実や医療倫理の高揚等を目的としています。

新しい薬学教育のカリキュラムには、一般用医薬品を含むすべての医薬品、食品等に関する教育項目がこれまでと同様に組み込まれており、その内容はより充実したものとなっています。

薬学教育の充実により、従来から果たしてきた、例えば医療用医薬品と一般用医薬品との服み合わせの確認、医療用医薬品における安全対策を通じての一般用医薬品購入者への情報提供、充実した医療薬学知識に基づく一般用医薬品の使用に関するアドバイスと的確な受診勧奨、更には今後登場するであろう新しい機能を持つ一般用医薬品の適正使用の確保や市販後の使用実態試験・市販後調査への協力等、薬剤師業務全般にわたり質の一層の向上が図られることになります。

6年制の薬学教育を受けた薬剤師であっても、薬学、医学、医薬品等の進歩に伴い、社会から求められる任務を果たすためには、最新の知識を吸収するため、たゆまぬ研鑽が必要であることはいうまでもありません。

薬局の開設者、管理者及びその他の薬剤師が、その責任を明確にし、責任を果たしていることを社会的に認識していただくため、本会においては年度毎に「消費者に対する今後の薬局・薬剤師の行動計画」を作成し、その実行状況を検証して公表しております。2004年の行動計画を参考までに添付致します。

b (別紙1)2004年度版「消費者に対する今後の薬局・薬剤師の行動計画[PDF形式、25KB、7ページ]

また、「薬と健康の週間」(毎年10月17~23日に実施)における全国統一事業として、薬局・薬店における相談事例の調査を実施していますが、平成16年度の調査結果の速報値がまとまりましたので、平成15年度の結果と対比した資料も添付しました。

b (別紙2)平成16年度「薬と健康の週間」における全国統一事業の結果について(速報値)[PDF形式、24KB、5ページ]

医薬品の供給に当たって薬剤師は、その知識と技能に基づき、医薬品のリスクの程度を勘案し、かつ購入者や患者それぞれの状況に応じた対応をとっています。

以上、医薬品の供給に対する薬剤師の役割、責任等について意見を述べました。今回の見直しは、国民の保健衛生の更なる向上という基本的な考え方に基づいてなされなければならないと考えます。また、諸外国に比較して分かりにくいと指摘されている我が国の医薬品の供給体制を、国民から見てより分かりやすい体制にすることも視野に入れた検討がなされることを要望致します。