平成16年12月
規制改革・民間開放推進会議(議長:宮内義彦オリックス会長)は、12月24日、「規制改革・民間開放の推進に関する第1次答申」を公表しました。
答申には、主要官製市場等の改革の推進として、14項目の具体的な規制改革事項が挙げられ、このうち医療関係では、①いわゆる混合診療の解禁、②医療法人を通じた株式会社等の医療機関経営への参入、③中医協の在り方の見直し、④医療計画(病床規制)の見直し等、⑤医薬品の一般小売店における販売等-の5項目が盛り込まれています。
「医薬品の一般小売店における販売等」については、「具体的施策」として、
(1)医薬品の一般小売店での販売(平成18年通常国会に法案提出)
(2)医薬部外品の定義の再確定(平成18年通常国会に法案提出)
(3)高度な知識・技術を有する薬剤師の活用(平成17年度検討、平成18年 度中に措置)
の3項目が示されました。これを受け、本会は12月24日、以下のコメントを記者発表いたしました。
規制改革・民間開放の推進に関する第一次答申における
医薬品の一般小売店における販売等について
平成16年12月24日
社団法人 日本薬剤師会
本日、規制改革・民間開放推進会議より「規制改革・民間開放の推進に関する第一次答申」が公表されました。
医薬品の流通・販売は、薬事法による規制の下で行われていますが、これは憲法第25条が保障する国民の生存権及びその生存権に対する国の保障義務に関する規定に基づいているものと考えています。
従いまして、医薬品の販売制度の見直しは、国民の保健衛生の向上、医薬品の適正な使用の確保を図るという基本的考え方に基づいてなされなければならないと考えます。
本会としては、一般用医薬品を生活者の皆さんが安心して使用して頂くため、昨年来、適切な説明、服薬指導の徹底等を内容とする「行動計画」を作成し、会員による実施状況を公表する等、会員への指導を継続しているところであります。
また、昨年の「薬と健康の週間」における調査事業の結果として、全国の薬局等において毎日約33万人の医薬品の購入者が薬剤師に何らかの相談を行っていることを示すことが出来ました。
一方医療用医薬品については、本年も処方せんに対する疑義照会の実施率に関する調査結果(疑義照会率2. 91%)を公表致しましたが、疑義照会は薬剤師に課された義務であり、今後とも適正な疑義照会がなされるよう努力していくこととしております。
いずれにしても医薬品の販売制度の見直しは、生活者の皆さんが安心して、安全に医薬品を使用できる環境を損なうことのないよう、慎重に行われなければならないと考えます。