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「新・薬剤師行動計画」実施状況の検証結果について

平成20年7月

 日本薬剤師会では、平成18年6月に公布された改正薬事法、改正薬剤師法、改正医療法等を踏まえ、新たな薬剤師の取り組みとして、平成18年9月「新・薬剤師行動計画」を策定いたしました。

 「新・薬剤師行動計画」は、“新たな医療制度への対応”、“新たな一般用医薬品販売制度への対応”、“医薬品の適正使用への貢献”を柱として、会員薬局・薬剤師、支部薬剤師会、都道府県薬剤師会、日本薬剤師会ごとに取り組むべき事項を整理し、関係法律の施行を待つまでもなく、直ちに可能なものから実施に移そうというものです。

 本会では、同計画の策定より1年以上が経過した平成19年11月、実施状況について調査を実施し、このほど以下のとおり調査結果をとりまとめました

【検証結果】(PDF形式.48KB.13ページ)

1 「新・薬剤師行動計画」の内容

 日本薬剤師会では、平成18年6月に公布された改正薬事法、改正薬剤師法、改正医療法等を踏まえ、新たな薬剤師の取り組みとして、平成18年9月「新・薬剤師行動計画」を策定した。
「新・薬剤師行動計画」は、“新たな医療制度への対応”、“新たな一般用医薬品販売制度への対応”、“医薬品の適正使用への貢献”を柱として、会員薬局・薬剤師、支部薬剤師会、都道府県薬剤師会、日本薬剤師会ごとに取り組むべき事項を整理し、関係法律の施行を待つまでもなく、直ちに可能なものから実施に移そうというものである。

「新・薬剤師行動計画」全文はこちら

2 「新・薬剤師行動計画」の検証

 日本薬剤師会では、行動計画の策定から1年以上経過したことから、行動計画の実施状況を検証することとし、平成19年11月21日都道府県薬剤師会会長宛の通知により、検証のための調査を依頼した。

3 検証結果の概要(会員薬局・薬剤師)

 会員薬局・薬剤師における対応状況の概要は以下のとおりであった。
調査対象薬局47,069軒(都道府県薬剤師会報告による)のうち、33,032軒より回答があり、回収率は70.2%と高いものであった。(検証調査実施時期:平成19年11月)


Ⅰ 新たな医療制度への対応

○休日・夜間対応
  • 最も多いものは「緊急時の連絡先電話番号を店舗外に掲示」(51.4%)であり、続いて「地域薬剤師会の輪番制により、当番日に開局している」(17.4%)、「薬局と住居が同じなので、インターフォンや電話による呼び出しで夜間対応可能」(16.1%)であった。
○在宅患者訪問薬剤管理指導
  • 63.9%が医療保険制度上の届出をしており、在宅患者訪問薬剤管理指導(居宅療養管理指導を含む)を実施している(経験がある場合を含む)のは全体の14.4%であった。
○駐車禁止除外規定車許可
  • 駐車禁止除外規定車許可の取得は2.1%にとどまっていた。
○日本薬剤師会(以下、日薬)作成の「薬剤師による食事・排泄・睡眠・運動を通した体調チェック・フローチャート ~解説と活用~」の認知
  • 知っている(44.2%)よりも知らない(48.7%)の方が上回っていた。
○麻薬小売業の免許等
  • 65.5%が免許を取得しているが、麻薬小売業者間の譲渡・譲受許可の取得は4.1%と、施行(平成19年9月)から間もないこともあり、取得率は低かった。
○災害時対応
  • 日薬作成の「薬局・薬剤師の災害対策マニュアル」については、57.5%が知っているとしているが、災害時における医薬品等の供給体制の整備への協力については、個々の薬局での対応というより、薬剤師会としての組織対応が中心となっていることがうかがえる。
○薬局機能に関する情報の開示
  • 68.0%が書面による閲覧であった。
○薬局における安全管理指針の整備
  • 87.5%が日薬作成の「医療安全管理指針」モデルに基づき作成していた。
○医薬品の安全使用・管理のための業務手順書
  • 87.1%が日薬作成の「『医薬品の安全使用のための業務手順書』作成マニュアル(薬局版)」に基づき作成していた。
○日薬作成の「薬局・薬剤師のための調剤事故防止マニュアル」の認知
  • 84.7%が知っているとしており、高い認知度であった。
○調剤の際の患者への情報提供
  • 63.0%が「ほとんどの場合文書を用いて」情報提供しており、30.8%が「必要に応じて文書を用い、多くはその他の方法(口頭説明など)」で情報提供していた。
○患者への後発品の情報提供
  • 84.8%が必要に応じて情報提供を行っており、後発品の使用促進策に対する薬剤師の認識度が高まっているものと考えられた。
○医薬品データシート・データベース(日薬作成)の認知
  • 認知度は36.2%にとどまっていた。

Ⅱ 新たな一般用医薬品販売制度への対応

○第一類医薬品の販売の際の患者への情報提供
  • 10.7%が「ほとんどの場合文書を用いて」情報提供しており、46.9%が「必要に応じて文書を用い、多くはその他の方法(口頭説明など)」で情報提供いるが、30.8%は「特段の対応をしていない」状況であった。
○日薬作成の「一般用医薬品販売の手引き(暫定版)」の認知
  • 認知度は51.0%であった。
○日薬作成の「【改訂版】対面話法例示集」の認知
  • 認知度は49.3%であった。
○利用者のために必要な情報の掲示

  • 開局時間は85.9%の薬局が掲示しており、開設者氏名は69.6%、管理薬剤師氏名と勤務薬剤師氏名についてはそれぞれ73.9%、53.2%であった。    
○一般用医薬品のリスク分類毎に区分した陳列
  • 施行は平成21年度からであるが、すでに12.4%の薬局でリスク分類ごとの区分陳列を行っており、23.3%の薬局で一部について区分して陳列していた。一方、49.4%の薬局は調査時点では区分陳列を行っていないという状況であった。
○第一類医薬品の陳列
  • 48.9%が、消費者が手に取ることのできない場所に陳列していた。
○薬剤師であることの識別
  • 86.4%が、薬剤師名札を着用しており、着用率は高かった。

Ⅲ 医薬品の適正使用への貢献

○地域住民への啓発活動
  • 「薬と健康の週間」における行事等への参加は36.5%であった。また、日薬作成の「薬局・薬剤師の年間啓発カレンダー」の認知度は41.4%にとどまっていた。
○医薬品の安全性確保のための取り組み
  • 11.4%が薬事法に基づく厚生労働大臣への副作用報告を行ったことがあるとしており、56.5%が日薬が実施しているDEM事業に参加したことがあるとの状況であった。

4 評価・今後の取り組みなど

 今回の検証調査の回収率は、会員薬局・薬剤師の場合70.2%とかなり高いものであった。

(1)新たな医療制度への対応

 新しい医療計画は、平成21年度から実施されており、休日・夜間対応などは今後とも拡大していくものと考えられる。在宅医療への参加は未だ低い状況ではあるが、医薬品の供給拠点等としての薬局への期待は高まることが予想され、組織的取り組みも含めて、個々の薬剤師が積極的に対応していかなければならない分野である。後発品の使用促進という観点からは、医薬品データシート・データベースについて改めて会員への周知を図るとともに、より使い易いシステムに向けた検討も行う必要がある。

(2)新たな一般用医薬品販売制度への対応

 平成21年度より全面適用となることから、今回の検証結果を参考として、着実に会員薬局・薬剤師が新制度に対応できるよう、日本薬剤師会として、新制度の主旨・内容を的確に周知するとともに十分な支援策を講じていく必要がある。

(3)日本薬剤師会の対応状況

 新・薬剤師行動計画に示された日本薬剤師会の取り組みのうち、具体的な資材の作成等については、ほぼ対応されている。

 「リスクの高い一般用医薬品を含め、汎用される一般用医薬品について適正使用のための文書例示集の作成と提供」や、「具体的な掲示例」については、本年7月4日にとりまとめられた「医薬品の販売等に係る体制及び環境整備に関する検討会」の報告書などを参考として、今後検討していくこととなる。

以 上

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