平成18年7月12日
本会は、一般用医薬品の規制緩和要求に対し一貫して反対してきていますが、規制緩和の理由として指摘されている事項について、本会及び会員が具体的に行動を起こし、その結果を検証し行動するという活動を2003年度から展開しています。２００５年度はその３年目として、「２００５年度版消費者に対する今後の薬局・薬剤師の行動計画（行動計画２００５）」を策定・実施しました。
また、本会では平成15年度より「薬と健康の週間」（10月17～23日）における全国統一事業として、薬局・薬店における「一般用医薬品販売時の“薬剤師の相談業務”に関するデータ及び相談事例の収集」等を行っています。
今般、行動計画２００５の実施状況の検証結果と、全国統一事業の結果が以下のとおりまとまりました。
１．「行動計画２００５」実施状況の検証結果（概要）
（１）「行動計画」の内容
２００５年度（第三次）行動計画の内容は、２００４年度と同じ内容であり、薬局・薬店については下記の目標に向けた取り組みを更に進展させるよう要請した。
○薬剤師の名札を着用し、責任の所在を明確にすること。
○一般用医薬品購入者への適切な説明、服薬指導を徹底すること。
○消費者が、夜間、休日であっても必要な医薬品を入手しやすくすること。
（２）検証結果の概要（会員薬局・薬店について）
①薬剤師名札の着用
97％程度が着用。（昨年度よりやや増加）
②店内掲示
８５％程度が実施。（昨年度よりやや減少）
③説明等の実施状況
「すべての購入者に実施」が減少し、「薬剤師が必要と判断した場合」、
「購入者から求めがあった場合」が増加。
④「対面話法例示集」の認知
67％程度が認知。（昨年度よりやや減少）
⑤「薬局・薬剤師のための接遇マニュアル」の認知（新規）
83％程度が認知。（昨年度とほぼ同じ）
⑥購入者に対する相談窓口の明確化（新規）
薬局・薬店、薬剤師名刺等の交付は減少したが、相談・販売に係る記録については増加。
⑦夜間等の対応
「対応していない」は２３％程度。（昨年度より減少）
（３）今後の取り組み
一般用医薬品の供給に着目した行動計画による取り組みは、今回の第三次検証をもって一旦終了し、２００６年度からは今通常国会において成立した改正医療法、薬事法、薬剤師法を踏まえた「新・薬剤師行動計画」を策定し、実施することとしている。
２．平成１７年度「薬と健康の週間」における全国統一事業の結果（概要）
（１）薬局・薬店における事業
①概要
[table "38" not found /]②相談・質問の内容
「医薬品の選択」、「効能・効果」、「用法・用量」、「相互作用」、「副作用」
に関するものが多く、平成15・16年度とほぼ同様であった。
③副作用の相談があった医薬品の薬効分類別件数
「かぜ薬等の精神神経用薬」、「外皮用薬」、「H2ブロッカー等の消化器官用薬」
に関するものが多く、平成15・16年度とほぼ同様であった。
④副作用の主な症状
「発疹」、「そう痒」、「胃痛」、「眠気」、「悪心・嘔吐」といった症状が多かった。
⑤副作用の相談に対して薬剤師がとった措置
「使用の中止を指示」、「服薬指導」、「医療機関を紹介」が多いものであった。
昨年度と同様に、「医療機関を紹介」の割合が平成15年度と比較して約２倍に増加していた。
（２）薬剤師会における事業（お薬相談の実施）
①概要
[table "39" not found /]②相談・質問の内容
「医薬品」に関するものが約70％を占める一方、健康相談など「その他」にあたるものが増加した。
③医薬品についての相談・質問の内訳
「医療用医薬品」に関するものが約70％、「一般用医薬品」に関するものが約20％であり、
平成15・16年度と同様に「医療用医薬品」に関するものの方が多かった。
④一般用医薬品に関する相談・質問の内容
「副作用」、「医薬品の選択」、「効能・効果」、「相互作用」に関するものが多く、
「副作用」に関する相談が増加した。また、薬局・薬店における相談事例と比較すると
「副作用」や「相互作用」といった安全性に関する相談・質問が多く見られた。
⑤副作用の相談のあった「一般用医薬品」の薬効分類別件数
「かぜ薬等の精神神経用薬」が最も多く、平成15・16年度と同様であった。
⑥副作用の主な症状
「発疹」、「ほてり・発赤」、「悪心・嘔吐」、「めまい・ふらつき」の順であった。
以 上
2005年度版「消費者に対する今後の薬局・薬剤師の行動計画」実施状況の検証結果の公表並びに未実施支部・会員への指導徹底について［PDF形式：１５ページ．４１６KB］
平成17年度「薬と健康の週間」における全国統一事業結果の報告並びに一般用医薬品の提供に係る服薬指導の充実・徹底について［PDF形式：３８ページ．４１６KB］